MEXC vs CoinEx徹底比較:手数料、取扱銘柄、そしてセキュリティインシデント後に両社が取った対応
今回の比較では、規模とコストの両面からMEXCを第一におすすめします。取扱銘柄数は1,627対697、テイカー手数料は0.05%対0.20%です。
Key Takeaways
- CoinGeckoの集計では、MEXCの取扱銘柄は1,627、現物取引ペアは2,019に対し、CoinExは697銘柄・905ペアです。いずれも同じ日に取得した数値です。
- 基本ティアの現物手数料は、MEXCがメイカー0.00%・テイカー0.05%、CoinExはメイカー・テイカーともに0.20%です。月50万ドルを取引する場合、年間で約9,000ドルの差になります。
- 本記事で最も大きな差が出たのはデリバティブです。MEXCは無期限先物ペア1,214、未決済建玉(OI)120億ドルに対し、CoinExは228ペア、1億4,790万ドルにとどまります。
- CoinExでは2023年9月に約7,000万ドルが不正流出しましたが、1週間ほどで出金を再開し、被害を受けたすべてのユーザーへの補償を公に約束しました。
- CoinExのCORE3セキュリティ評価はMEXCと同等で、先物の平均スプレッドもCoinExのほうが狭く、0.172%対0.303%です。
- 両社とも米国、英国、カナダ、EUではサービスを提供しておらず、CoinExはさらにスイスも対象外としています。
「MEXC vs CoinEx」で検索する人が本当に知りたいこと
この2つのプラットフォームを比較する人の多くは、ゼロから取引所を選んでいるわけではありません。
すでにどこかでアカウントを持っていて、何かをきっかけに他の選択肢を探し始めているのです。
CoinExの場合、そのきっかけはたいてい2023年9月の出来事です。同社のホットウォレットから数千万ドル相当の資産が流出し、1週間近く出金が停止されました。
それから3年が経った今、問うべきはハッキングが起きたかどうかではありません。
大切なのは、その後に何が変わったのか、独立した第三者が検証しているのか、そして乗り換え先のプラットフォームが、最初に不安を感じた点で数字のうえでもはっきり上回っているのか、ということです。
そこで本記事では、この観点から比較を組み立てました。
まず6つの信頼性の仕組みを同じ表で両社に当てはめ、続いて1年間の取引に実際いくらかかるかを左右する数字を見ていきます。
MEXCの見解
当社はMEXCを運営しているため、ここは中立的な結論ではなく、当社の主張としてお読みください。
当社の見解では、取扱銘柄数、現物取引のコスト、デリバティブの厚みの3点でMEXCが上回っており、その差は次のとおりです。
取扱銘柄数:1,627銘柄対697銘柄。
現物コスト:テイカー手数料0.05%対0.20%。月50万ドルの取引で、年間9,000ドルの差になります。
デリバティブの厚み:無期限先物ペア1,214、未決済建玉120億ドルに対し、228ペア、1億4,790万ドル。その差はおよそ80倍です。
また当社は、2023年以降のCoinExのセキュリティ体制は確かに堅実で、第三者機関によるセキュリティ評価も当社と同等だと考えています。これを否定する人は、データを確認していません。
この2つは、どちらも同時に成り立ちます。
CoinExは安全か?6つの信頼性チェックを両社で検証
以下がその6項目で、両社とも同じ基準で評価しています。
CoinGeckoがデータを掲載しているセキュリティ評価機関CORE3は、両社ともペネトレーションテスト、準備金証明(PoR)の監査、バグバウンティを実施していると記載しています。
評価はどちらも5つ星中3つ星です。
この指標では両社は互角であり、データが示していない差を作り上げるつもりはありません。
とはいえ、上の表のうち2つの項目でははっきりと差がつきます。
MEXCは毎月、マークルツリー方式の準備金証明(PoR)を公開し、Hackenによる独立監査を添付しています。2026年7月のレポートでは、BTCの準備率が281%に達し、主要資産はすべて100%を上回りました。
さらにMEXCは、常設のガーディアンファンド(Guardian Fund)を運営しており、現在の規模は1億ドル、2年かけて5億ドルまで拡大するとしています。これとは別に、先物保険基金も設けています。
MEXCのセキュリティと資産保護の取り組み全般については、MEXCは安全かを解説したガイドをご覧ください。
CoinExは準備金データを公開しており、DefiLlamaがこれを追跡しています。また、2023年の不正流出事件後には、損失を補填する仕組みとして「ユーザー資産安全基金(User Asset Security Foundation)」を挙げています。
ただ、CoinEx側でこの基金の規模を示す公表数値は見つかりませんでした。一方MEXCは、ガーディアンファンドの規模と拡大目標を明示しています。
2023年のCoinExハッキング事件:数時間で7,000万ドルが流出、その後の対応
2023年9月12日、CoinExのリスク管理システムが、複数のホットウォレットからの異常な出金を検知しました。
CoinExは同日中に入出金を停止し、盗まれたのは顧客の残高ではなくプラットフォームの準備資産だと説明したうえで、ユーザーに生じた損失は全額補償すると約束しました。
セキュリティ企業による当初の推計は約3,100万ドルからそれ以上まで幅があり、CoinExは後に被害額を約7,000万ドルと発表しました。複数のブロックチェーン分析企業は、この攻撃をハッカー集団Lazarus Group(ラザルスグループ)によるものとしています。
出金は2023年9月21日から段階的に再開され、CoinExの創業者は被害を受けたすべてのユーザーに全額補償することを公に約束しました。
同規模の取引所ハッキング事件の多くと比べれば、これは良い結末だったと言えます。
なお、念のため付け加えると、CoinExは2023年6月15日、証券および商品のブローカーディーラーとして登録していなかった件で、ニューヨーク州司法長官と和解しています。
和解に伴う同意命令により、CoinExは返金と制裁金として約170万ドルの支払いを求められ、ニューヨーク州での営業も禁じられました。また、司法長官事務所がその訴状を公表したのは同年2月のことです。
公開記録上、MEXCにはこれに匹敵するセキュリティ侵害はなく、CoinExがニューヨークで応じたような金銭的な和解もありません。
ただし当社は、英国金融行為規制機構(FCA)やドイツ連邦金融監督庁(BaFin)などの規制当局が公表する警告リストに掲載されています。その詳細は、当社の制限対象国ガイドですべて説明しています。
手数料の差は1年でいくらになるか
CoinExの基本ティアの現物手数料は、メイカー・テイカーともに0.2000%で、CETで手数料を支払うと0.1600%に下がります。
MEXCはメイカー0.0000%、テイカー0.0500%で、MX控除を利用するとテイカー手数料は0.0400%になります。
では、毎月50万ドルのテイカー取引を、それぞれの公表手数料率で行ったと仮定してみましょう。
CoinExでは月1,000ドル、年間では1万2,000ドルかかります。
MEXCでは月250ドル、年間では3,000ドルです。
各社の自社トークンによる割引を適用すると、年間コストは9,600ドル対2,400ドルになります。
一方、先物は事情が異なり、その点ははっきりお伝えしておくべきでしょう。
CoinExの無期限先物の基本ティア手数料はメイカー0.0300%、テイカー0.0500%で、MEXCの標準手数料は0.010%と0.040%です。
先物の取引額(想定元本ベース)が月50万ドルの場合、差は年間約600ドルにとどまり、9,000ドルもの差にはなりません。
先物しか取引しないのであれば、手数料だけでは乗り換える理由として弱いと言えます。
本当に差が大きいポイント
MEXCの現物取扱銘柄は1,627で、CoinExは697です。
デリバティブではさらに差が広がり、無期限先物ペアは1,214対228、未決済建玉は120億ドル対1億4,790万ドルです。
なかでも注目すべきは未決済建玉です。大口で取引するときに、注文の反対側に取引相手がいるかどうかを示す数字だからです。
80倍の規模を持つ板とそうでない板とでは、20万ドルのポジションを吸収する力が違ってきます。
CoinExが公表している先物の最大レバレッジは100倍です。一方、MEXCのBTCUSDTのリスク限度額表では、最初のポジションティアの500倍から始まり、ポジションサイズが大きくなるにつれて段階的に引き下げられます。
MEXC vs CoinEx比較一覧:手数料、取扱銘柄、デリバティブ、準備金
| 比較項目 | MEXC | CoinEx |
| 現物手数料(基本ティア) | メイカー0.0000%、テイカー0.0500%。MX控除適用時はテイカー0.0400%。 | メイカー・テイカーともに0.2000%。CET控除適用時は0.1600%。 |
| 取扱銘柄と取引ペア | 1,627銘柄、追跡対象の現物取引ペア2,019。 | 697銘柄、追跡対象の現物取引ペア905。 |
| デリバティブ | 無期限先物ペア1,214。未決済建玉120億ドル。基本ティア手数料はメイカー0.010%、テイカー0.040%。BTCUSDTは最初のリスクティアで最大500倍。 | 無期限先物ペア228。未決済建玉1億4,790万ドル。基本ティア手数料はメイカー0.0300%、テイカー0.0500%。最大100倍。 |
| セキュリティと準備金 | マークルツリー方式のPoRを毎月公開、Hackenが監査。ガーディアンファンド。トラストスコア10点(10点満点)。CORE3は5つ星中3つ星。 | 準備金データはDefiLlamaが追跡。過去12か月間のセキュリティ侵害なし。トラストスコア7点(10点満点)。CORE3は5つ星中3つ星。 |
| 入出金 | 暗号資産とカード決済に対応。米国、英国、カナダ、EEAではサービス提供なし。 | カード、銀行送金、P2Pに対応。米国、カナダ、EU、英国、スイスは対象外。 |
| 最大の特長 | 公表メイカー手数料ゼロで、豊富な取扱銘柄とデリバティブの厚い未決済建玉を提供。 | 先物の平均スプレッドが狭く、大規模なセキュリティ侵害後に全額補償を行った記録がある。 |
データは2026年9月4日時点のもので、各プラットフォームの公式手数料表、ヘルプセンター、お知らせ、および同日に取得したCoinGeckoの取引所プロフィールと照合して確認しています。
CoinExのほうが優れている点
CoinExには優れている点が3つあり、当社としてもそこを素通りするつもりはありません。
銘柄を絞った板で、先物スプレッドが狭い
CoinExの無期限先物市場における平均ビッド・アスク・スプレッドは0.172%で、はるかに規模の大きいMEXCの板では0.303%です。
取り扱う契約を絞り込み、スプレッドを狭く保つのは正当な設計上の選択です。主要な無期限先物しか取引しないのであれば、CoinExのほうが有利な条件で約定できる可能性があります。
実際に試された補償の実績
準備金の証明を公開している取引所は数多くあります。
しかし、被害額が1億ドル近くに達するセキュリティ侵害を経験し、全額補償を約束したうえで、穴埋めのためにトークンを新規発行することなくそれを実行したと報じられた取引所となると、はるかに少数です。
シンプルさ
現物はメイカー・テイカー共通の単一レートで、VIPティアは6段階、そこにCET割引が上乗せで適用されます。
当社の手数料ページはこれより変動要素が多く、たまに取引する程度のトレーダーにとっては、CoinExの手数料体系のほうがわかりやすいでしょう。
この2社以外も含めた市場全体については、当社による2026年版おすすめ暗号資産取引所ランキングをご覧ください。
実際に登録できる国・地域
MEXCは、米国、英国、カナダ、欧州経済領域(EEA)ではサービスを提供していません。
CoinExが2026年6月に発表した制限対象地域のお知らせでは、米国、カナダ、中国本土、香港、EU、英国、スイス、カザフスタン、北朝鮮、イラン、キューバが挙げられています。
MEXCの本人確認で求められる内容については、MEXCのKYCレベルと上限額のガイドで説明しています。
これらの市場にお住まいの方には、率直に言って本比較は当てはまりません。現地で認可を受けたプラットフォームから検討を始めるのが適切です。
EUにお住まいの方は、欧州証券市場監督局(ESMA)が公開している認可事業者の登録簿を参照してください。
MEXCとCoinExはいずれも韓国のVASP(仮想資産サービスプロバイダー)申告を行っておらず、Upbitが公表した2026年8月31日付の未申告事業者リストにも両社が掲載されています。
これは両社に共通する規制上の状況であり、両社を分ける違いではありません。
もう1点、はっきりお伝えしておきたいことがあります。
CoinGeckoの規制情報欄では、MEXCについてコモロの国際暗号資産ライセンス(International Crypto License)が記録されている一方、CoinExについては確認できる規制上の認可が記録されていません。
コモロのライセンスは規制の緩やかな登録制度であり、EU、英国、米国での認可と同等ではありません。後になってご自身で知るよりも、当社から先にお伝えしておきたいと考えています。
MEXCとCoinEx、あなたの取引スタイルに合うのはどちらか
現物を大口で頻繁に取引し、ロングテール銘柄まで幅広く扱う方
本比較での答えはMEXCです。取扱銘柄数、公表手数料、そして先ほどの試算で示した年間9,000ドルの差がその根拠です。
無期限先物を取引し、市場の厚みを重視する方
こちらもMEXCです。しかも本記事で最も差が大きい項目で、契約数は1,214対228、未決済建玉は約80倍の規模です。
主要な無期限先物だけを小〜中規模で取引し、狭いスプレッドを重視する方
約定品質の面ではCoinExを選ぶ理由も十分にあり、先物の手数料差も小さいため、乗り換えてもコストに見合わない可能性があります。
どちらのプラットフォームもご自身の取引スタイルに合わない場合は、より幅広い取引所を取り上げたおすすめの代替暗号資産取引所のガイドをご覧ください。
米国、英国、カナダ、EU、スイスにお住まいの方
どちらのプラットフォームもサービスを提供しておらず、本比較のどの部分もその事実を変えるものではありません。
Frequently Asked Questions
CoinExは2023年のハッキング事件後も安全に使えますか?
CoinGeckoの過去12か月の記録では、CoinExにセキュリティインシデントはなく、CORE3の評価もMEXCと同じ5つ星中3つ星です。
準備金データはDefiLlamaが追跡しています。
CoinExはハッキング被害を受けたユーザーに補償しましたか?
CoinExは事件当日に全額補償を約束し、その後、CETの供給量を希薄化させることなく補償を完了したと報じられています。
損失額は5,300万ドルから7,000万ドルと推計されています。
MEXCとCoinEx、手数料が安いのはどちらですか?
現物ではMEXCです。メイカー0.00%、テイカー0.05%に対し、CoinExは一律0.20%です。
先物では差が縮まり、基本ティアのテイカー手数料は0.040%対0.0500%です。
MEXCとCoinExの取扱銘柄数はそれぞれいくつですか?
MEXCの取扱銘柄は1,627、追跡対象の現物取引ペアは2,019です。
CoinExは697銘柄・905ペアで、いずれも同じ日に取得した数値です。
CoinExは規制当局の認可を受けていますか?
CoinGeckoにはCoinExについて確認できる規制上の認可が記録されておらず、CoinExは2023年6月、未登録の問題をめぐってニューヨーク州司法長官と和解しています。
MEXCも、EU、英国、米国では認可を受けていません。
先物取引にはどちらが向いていますか?
市場の厚みではMEXCです。無期限先物ペア1,214、未決済建玉120億ドルに対し、CoinExは228ペア、1億4,790万ドルです。
CoinExは銘柄を絞った板で、より狭い平均スプレッドを提示しています。
CoinExからMEXCへ資産を移すにはどうすればよいですか?
保有中のポジションを決済し、両社が対応しているチェーンで出金します。送金前に、最低出金額とMemoの要否を確認してください。
当社の出金ガイドでも、逆方向の送金について同じ確認事項を解説しています。
リスクに関する注意事項
デジタル資産の取引には、入金した資金をすべて失う可能性を含む、大きなリスクが伴います。
無期限先物は利益と損失の両方を拡大させ、相場が大きく変動する局面ではポジションが全額強制決済される可能性があります。
準備金証明(PoR)は特定時点のスナップショットにすぎず、いかなるプラットフォームについても支払能力の維持を保証するものではありません。
MEXCは欧州経済領域(EEA)でライセンスを取得しておらず、米国、英国、カナダ、EEAの居住者にはサービスを提供していません。
本記事のいかなる内容も投資助言ではありません。アカウントを開設する前に、ご自身の状況を十分に検討してください。
両プラットフォームの比較方法
本記事のすべての数値には出典と取得日を明記しています。また、数値を比較可能な状態に保つため、両社のアグリゲーターデータは同じ日に取得しました。
当社の評価手法はレビューの方法論で説明しており、CoinGeckoも独自の手法をトラストスコアの算出方法で公開しています。
より多くの取引所で同様のコスト比較をご覧になりたい方は、取引所手数料比較とデリバティブ取引所比較をご覧ください。
特にCoinExからの乗り換えを検討している方には、検証済みの同一手数料基準で4つのプラットフォームを比較したCoinEx代替取引所の比較がおすすめです。
取引所の保護基金が何を補償し、何を補償しないのかについては、保護基金ガイドで解説しています。
MEXC自体の手数料体系は手数料ガイドに、当社がサービスを提供できない地域は制限対象国ページとMEXCの利用規約に記載しています。
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