暗号資産取引所最大手バイナンスは11日、ウォール・ストリート・ジャーナル(以下WSJ)が同年2月23日に掲載した記事に虚偽・名誉毀損の内容が含まれるとして、正式に訴訟を提起したと発表した。提訴の目的として「評判の保護、公的記録の訂正、および誤情報による不必要な混乱・行政調査の誘発防止」を挙げている。
WSJは2月23日付記事で、バイナンスがイラン系組織への送金疑惑を内部調査した担当者を解雇したと報じた。バイナンスはこれに対し即座に反論・訂正を求めたが、WSJが応じなかったため提訴に踏み切った。
デュガン・ブリス(Dugan Bliss)グローバル訴訟責任者は「本訴訟は、誤情報から自社を守り、ジャーナリズムの誠実さよりクリック数を優先したWSJの説明責任を追及し、重大な信頼毀損と事業上の損害に対処するための必要な措置だ。この種の報道は業界全体への信頼を損ない、ユーザー保護と健全なイノベーション推進に尽力している関係者の努力を損なう」と述べた。
バイナンスは提訴に合わせ、自社コンプライアンスプログラムの成果を数値で開示した。制裁関連エクスポージャー(制裁対象との取引接触率)は取引高全体に占める比率で、2024年1月の0.284%から2025年7月には0.009%へと96.8%削減された。イランの主要4暗号資産取引所への直接エクスポージャーも419万ドル(約6.6億円)から11万ドル(約1,744万円)へ97.3%減少している。
2025年には世界で7万1,000件超の法執行機関リクエストを処理し、不正資産の凍結・回収でも数億ドル規模の協力実績を持つ。コンプライアンス・調査・リスク部門の担当者は1,500人超で、全社員の約4分の1に相当する。
バイナンスは20以上の司法管轄で規制認可・ライセンスを保有し、アブダビ・グローバル・マーケット金融サービス規制機構(ADGM FSRA)から完全認可を受けた初の暗号資産取引所でもある。ユーザー数は3億人を超えている。
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