マスターカードは11日、暗号資産(仮想通貨)および決済業界の85社超が参加する「クリプト・パートナー・プログラム」の開始を発表した。ブロックチェーン技術を200以上の国・地域にまたがる同社の既存決済インフラと接続し、日常商取引への実装を目指す取り組みである。
プログラムにはバイナンス、サークル、リップル、ジェミナイ、ペイパル、パクソスといった暗号資産取引所・ブロックチェーン開発企業・フィンテック企業・銀行が名を連ねる。参加企業はマスターカードのチームと協力し、ブロックチェーンベースのシステムを銀行・加盟店・消費者が日常利用する既存の決済レール(ペイメントレール)に接続する方法を探る。
対象ユースケースとして越境送金、企業間(B2B)決済、グローバル送金が挙げられている。同プログラムは、プログラマブル決済やトークン化資産といったオンチェーンのツールを確立された決済レールと橋渡しする設計だ。参加企業はフォーラムを通じた相互連携のほか、マスターカードの金融機関・加盟店エコシステムへのアクセスも得られる。
マスターカードは公式サイトで「オンチェーン決済の次フェーズは協業を通じて構築される」と表明。同プログラムはブロックチェーン・デジタル資産特化のスタートアップ支援「スタートパス」、暗号資産カードプログラムを含む「エンゲージ」プラットフォームなど、既存の業界連携施策を統合・拡張したものと位置付けられる。
競合のビザもステーブルコイン発行企業やブロックチェーン企業と連携し、デジタルドルを用いた決済清算テストを進めている。主要銀行もトークン化預金やブロックチェーン決済システムの研究を継続しており、既存金融とオンチェーン技術の融合は業界横断的な潮流となっている。
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