米デリバティブ取引所大手のCMEグループ(CME Group)が、トークン化キャッシュやオンチェーン担保の活用に向けた取り組みを進めていることが分かった。2月4日に実施された同社の2025年第4四半期(Q4)決算説明会で明らかにされた。
同社会長兼CEOのテリー・ダフィー(Terrence Duffy)氏は、トークン化担保に関する質問に対し、CMEが「トークン化キャッシュ(tokenized cash)」の取り組みを進めていると説明した。この取り組みはグーグル・クラウド(Google Cloud)と連携して進められており、別の預託銀行(デポジトリーバンク)と協力する形で、清算や証拠金用途での活用を想定しているという。提供開始時期については「今年中」と述べている。
ダフィー氏はまた、トークン化キャッシュに加え、業界参加者が利用することを想定した「独自のコイン」を分散型ネットワーク上で発行する可能性にも言及した。ただし、具体的な設計や位置付けについては明らかにしておらず、発言の文脈では、清算や担保効率の向上といったインフラ用途を念頭に置いた構想であることが示唆された形だ。
オンチェーン担保として受け入れる資産の範囲については慎重な姿勢を示している。ダフィー氏は、担保として受け入れるかどうかは「誰がそのトークンを発行しているのか」「そのトークンにどのようなリスクがあるのか」によって判断すると説明した。システミックに重要な金融機関が発行するトークンであれば受け入れやすい一方、信用力の低い発行体によるトークンは受け入れない可能性があるとの考えを示している。
暗号資産関連デリバティブの取引についても拡大が続いている。CMEによると、2025年は暗号資産取引が過去最高水準となり、Q4の暗号資産先物・オプションの平均日次取引高は前年比92%増の37万9,000枚となった。想定元本ベースでは、1日あたり130億ドル(約2.3兆円)規模に達している。
こうした需要拡大を受け、CMEは暗号資産商品について取引体制の拡張を進めている。ダフィー氏は、暗号資産先物・オプションを含む暗号資産関連商品全体について、次の四半期から24時間(24/7)取引を開始する計画を示した。現物の暗号資産市場が週末を含めて取引されていることを踏まえ、リスク管理手段としてのデリバティブをより柔軟に提供する狙いがあるとしている。
なお、同社はこれらの取り組みを米商品先物取引委員会(CFTC)の規制枠組みの下で進める方針を強調した。一方で、規制面で不確実性が高まる場合には、無理に事業を拡大しない姿勢も示しており、清算インフラとしての安全性とリスク管理を最優先する考えを改めて示した。
参考:シーキング・アルファ
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