分散型永続先物取引所(Perp DEX)Extended(エクステンデッド)のグロース担当者は20日、公式Xで同プラットフォームが「意図的に手数料を徴収している」理由を詳述した。テイカーから2.5bps(ベーシスポイント […]分散型永続先物取引所(Perp DEX)Extended(エクステンデッド)のグロース担当者は20日、公式Xで同プラットフォームが「意図的に手数料を徴収している」理由を詳述した。テイカーから2.5bps(ベーシスポイント […]

「ゼロ手数料は幻想」Extended が批判──スプレッド拡大で結局高い」

分散型永続先物取引所(Perp DEX)Extended(エクステンデッド)のグロース担当者は20日、公式Xで同プラットフォームが「意図的に手数料を徴収している」理由を詳述した。テイカーから2.5bps(ベーシスポイント、0.025%)の手数料を徴収し、マーケットメーカーには最大1.75bpsのリベートを提供する設計は、短期的な収益確保が目的ではなく、トレーダー・マーケットメーカー・アフィリエイト・プロトコル間のインセンティブを長期的に整合させるためだと説明している。

「ゼロ手数料」モデルへの批判

発表では「ゼロ手数料」を掲げるLighter(ライター)などの競合モデルを明示的に批判した。「市場のマイクロストラクチャーにおいて、コストは消失しない。再分配されるだけだ」とし、ユーザーが明示的な手数料を支払わない場合、スプレッドの拡大・約定品質の低下・レイテンシの不利・内部流動性に対するアドバースセレクションといった形で暗黙的にコストを負担すると主張する。

執行コスト比較──Lighterとの僅差

Extendedは11月26日、Hyperliquid(基本ティア)およびLighter(スタンダード版・プレミアム版)との詳細な執行コスト比較分析を実施した。137の市場・取引規模の組み合わせにおいて、スリッページのみではExtendedが80回で1位を獲得し、Hyperliquidの36回を大きく上回った。

総執行コスト(手数料+スリッページ)の比較では、Lighterスタンダード(手数料0)が67回、Extendedが50回で1位となり、主要銘柄ではLighterが優位だが、アルトコインでは同等の水準を示す。一方、Lighterプレミアム(手数料2bps)との比較では、Extendedが61回、Lighterが54回で1位となり、手数料が2bps以上に設定された場合はExtendedの総コストが低くなる傾向が確認された。分析は11月25日のUTC 05:30から17:30まで、30秒ごとに1,439回のスナップショットを取得して実施されている。

XVSによる「価値循環」の仕組み

Extendedは12月11日、XVS(Extended Vault Shares)を導入した。これはExtendedボールトへの預入資金をトークン化したもので、利回り付き担保として機能する。ローンチ時点でXVSはエクイティの75%、利用可能残高の25%に寄与し、今後数週間で利用可能残高への寄与率を最大90%まで段階的に引き上げる計画となっている。

XVSの導入により、Extendedは手数料を起点とした「フライホイール」を実現する。トレーダーが支払った2.5bpsの手数料のうち、マーケットメーカーへのリベート分を差し引いた純手数料は、アフィリエイト報酬とボールト収益に分配される。ポイントプログラム終了後もアフィリエイト報酬は継続し、これまでに70万ドル超を支払った実績がある。ボールト収益はXVS保有者に再分配され、アクティブトレーダーは取引に使用する担保自体から15%超のAPRを獲得できる仕組みだ。

柔軟性を生む手数料設計

Extendedは、ゼロ手数料モデルを採用した取引所が後から手数料を導入することは「ユーザーの信頼を破壊する」として困難だと指摘する。一方、最初から手数料を設定しておけば、テイカー手数料を3bpsに引き上げつつティアード割引を導入したり、流動性成熟後にメイカーリベートを段階的に引き下げる(実際に2bpsから1.75bpsへ調整済み)といった柔軟な最適化が可能になると説明した。

さらに、TGE(トークン生成イベント)後には、明示的な手数料がバイバック(トークン買戻し)などの価値還元メカニズムを実現する「制御面」として機能すると強調している。Extendedは「短期的インセンティブが消失した後もトレーダーが使い続ける取引所を構築するため、明示的で公正かつ持続可能なモデルを選択した」と結論付けた。

関連:Extendedとは?特徴と使い方を解説
関連:Hyperliquidとは?特徴と使い方を解説
関連:Ligtherとは?特徴と使い方を解説

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