ブラックロックは、AI関連の設備投資(キャペックス)が現在ではマクロ経済の大きな要因となっており、従来のヘッジ手法や市場間の分散効果を弱めていると警鐘を鳴らしている。ブラックロックは、AI関連の設備投資(キャペックス)が現在ではマクロ経済の大きな要因となっており、従来のヘッジ手法や市場間の分散効果を弱めていると警鐘を鳴らしている。

ブラックロック、AI投資で市場構造変化を警告

2026/05/16 03:02
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ブラックロック・インベストメント・インスティテュートは、企業レベルのAI設備投資(AIキャペックス)が、いまや市場全体のマクロ環境を左右していると投資家に警告した。アセットマネージャーである同社は、2026年を見据えた最初のテーマ「ミクロがマクロになる」は、この構造転換を的確に捉えていると述べた。

ジャン・ボワヴァン氏とウェイ・リー氏によるストラテジストの見解は、ビッグテック各社の2024年の設備投資総額が約7250億ドルに達する見通しの中で発表された。この数字は、2024年第1四半期決算発表前の推計値から約10%増加している。この水準のキャペックスは、従来のマクロ要因に匹敵する規模。

AIキャペックスが従来のマクロ要因に匹敵

「ミクロがマクロ」の主張は、少数企業によるキャペックスが経済成長や企業収益、利回りを左右することを指摘する。この投資は、いまや中央銀行の政策と並ぶ市場の主要要因である。

ブラックロックはAIインフラ投資が今後10年で5兆ドルから8兆ドル規模に達すると試算する。「マグニフィセント・セブン」は直近で四半期利益成長率57%前後を記録。AIが米国株式市場の上昇を主導している状況。

同社は、AIこそ150年ぶりに米国の成長率を2%超に押し上げ得る初のイノベーションとなる可能性があると分析。ただし、その結末は依然として不透明との認識も示す。

インフレとホルムズ海峡でリスク高まる

粘着的な物価上昇圧力は、ホルムズ海峡封鎖による新たなエネルギーリスクが加わる以前から高まっていた。ブラックロックは、欧州で今後約3回の追加利上げが市場に織り込まれ、米国は現状維持とみる。

同社は引き続き米国株と新興国株をオーバーウェイトに推奨。ただし、長期米国債が以前ほどポートフォリオの安定役にならない点を指摘。高止まりする利回りと粘着インフレが今後も続く場合、バリュエーションへの下押し圧力が強まる可能性を警戒する。

ビットコインもマクロの逆風に直面

暗号資産市場にも同様の要因が働いている。ビットコイン(BTC)は約8万646ドルで推移し、2025年10月の過去最高値12万6,080ドルから約36%下落。イーサリアム(ETH)は2,260ドル付近で、2025年8月のピークを50%以上下回る。

かつてリスク資産に流れていた資本は、現在AIキャペックスやエネルギー安全保障へと向かい、資金調達競争が激化。ブラックロックは、現在の本格的な分散投資には従来の複数アセット分散ではなく、プライベート市場やヘッジファンドの活用が不可欠であると主張している。

レバレッジの上昇、従来型ヘッジの弱体化、少数の巨大な要因による全体支配が進む中、パッシブ投資は厳しい時代に向かう。AIキャペックスが成長プレミアムを維持するのか、他の資産を圧迫し始めるのかが核心となる。この答えが、2026年後半のリスク市場のトーンを決定づける。

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