ブラックロックのラリー・フィンクCEOはミルケン研究所で、コンピュート需要の急増が全く新しい資産クラスを生み出す可能性があると述べた。将来的には生のコンピューティングパワーの先物取引が誕生し、トレーダーが売買する日が来ると同氏は語った。
ビバリーヒルズで開催された会議でフィンク氏は、コンピュートは希少性が高く、独自のデリバティブ市場が必要だと説明した。すでに構造化先物でヘッジされているエネルギーや農産物のような存在だと位置付けた。
フィンク氏は、AIに必要とされるチップ、メモリ、電力容量が米国にはまだ不足していると指摘した。生のコンピュートを燃料や穀物と同様、市場でフォワード契約によって価格が決定されるコモディティになぞらえた。
この説明は、聴衆に対しコンピュートを取引可能な資源として捉えるよう促した。ブルックフィールドのブルース・フラットCEOもフィンク氏と壇上で議論に加わった。
ブラックロック会長のフィンク氏は、コンピュートをクラウドサービスにとどまらない金融市場の次なる主要コモディティとして位置付けた。AIインフラへの投資を行う機関は、航空業界が燃料価格をヘッジしているのと同様に、能力コストをヘッジする可能性があると指摘した。
このヘッジでは、各モデルのクエリに必要なメガワットやチップの価格が定まることになる。フィンク氏は、これらの契約は実体資産へのエクスポージャーを求める長期資本を呼び込むと述べた。
フィンク氏は、AI投資にバブルは生じていないとの見解も示した。全レイヤーで需要が供給を上回り続けていると聴衆に語った。
また、クラウドやチップ大手の記録的な資金調達でも、世界のデータセンター構築需要を賄いきれない可能性を警告した。セクター内では資本不足も今後生じうると予測した。
フィンク氏はミルケン研究所の聴衆に語った。
こうした発言は、ブラックロックが今週中に非公開のハイパースケーラー企業との提携を発表する直前のタイミングとなった。この提携により、同社の13兆9000億ドルのバランスシートはAIインフラ分野への投資をさらに深化させる。
同時に、資金提供にとどまらず、物理インフラ層への直接的な関与も拡大することになる。フィンク氏は正式発表以前につき、提携相手の名称は明かさなかった。
コンピュート先物を取引所が採用するかは、業界が標準的な単位をどう定義するかにかかっている。その定義は、ハードウェアの進化やAIワークロードの変化により、いまだ未確定だ。フィンク氏の説明からは、ブラックロックが市場予想より早くベンチマークの登場を見込んでいることがうかがえる。同社は、その標準設定競争より一歩先んじる姿勢。
